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温泉の質で色が変わる!古くて新しい染体験「別府温泉絞り」

ここ最近、新聞やインターネットでも注目されるようになった「別府温泉絞り」。別府各地の温泉でワークショップが開かれ、観光客のみなさんだけなく、地元の方も大勢体験されています。
途絶えかけた「別府絞り」を再び別府に根付かせたい!楽しんでもらいたい!そんな思いで始まった「別府温泉絞り」「別府絞り」再興のための第一歩をご紹介します。

別府土産として人気を博した「別府絞り」の歴史 

2017年5月、別府駅に飾られている豊後絞り

木綿は元来、熱帯、亜熱帯性気候の植物で日本にはなかった植物で、海外から輸入しなければ手に入らない貴重なものでした。

江戸時代、鶴崎地方で木綿の栽培が始まると豊後(ぶんご)綿や三浦木綿と呼ばれるようになり、全国的に有名になったと言われています。

当時は徳川家に献上するほど貴重だった豊後綿。それを絞って藍で染めたのが豊後絞りです。

明治になると、豊後絞りの名は姿を消し「別府絞り」が県内の絞りとして受け継がれました。大正~昭和の時代、別府絞りは土産物として栄えたのです。

消えかかった「別府絞り」を復活させたい!と立ち上がったのは…? 

様々な形、色、グラデーションが特徴的な「別府温泉絞り」

しかし、その名前すら消えかかってきた現在。別府絞り・別府温泉絞りという文化を残すため、2017年4月、大分県出身の染色家、安藤宏子さんを中心とする「別府温泉絞り文化研究会」が発足しました。

メンバーは別府の旅館おかみや呉服店関係者たち。「別府温泉絞り」や「別府絞り」を別府みやげとして、別府の伝統として復活させ、広めていこうと活動を開始したのです。

活動の一環として、誰でも気軽に別府温泉絞り・別府絞りを体験できるワークショップを不定期に開催しています。

温泉の個性が色に現れる!別府温泉しぼり体験 

2017年5月1日「地獄蒸し工房鉄輪」で開催されたワークショップに参加してきました。

今回挑戦した別府温泉絞りは、染めた布を思い思いの模様に絞り、温泉のお湯で染料を落としながら模様を浮かび上がらせる絞り染め。

絞り染めとは、布を絞り模様を染め出す方法。染めたくない部分を糸で巻く、縛る、縫う、板で挟むなどして絞り模様を作ります。

通常は色が染まらないように模様を付けるのですが、今回体験したのは「色が抜けないように」模様を付けるというもの。

湯の泉質や温度によって色の抜け方が違うので、温泉それぞれの個性が豊かに現れます。温泉に浸けてみないと、どんな色になるかわからないというのも魅力的!

ビー玉、洗濯ばさみ、フィルムケース、かまぼこ板、割りばしなどをゴムや糸を使って縛り、模様を作ります。

真剣に絞っている参加者のみなさん。

「ただ縛るだけでも、おもしろいグラデーションになるよ!」とのアドバイスをもらいました。

教えてくれるのは、「工房 遊草庵」主宰の安藤宏子さんのお弟子さんたち。自前のエプロンが素敵です!

絞り方によって変わる模様。色々な方法があります。

小石やビー玉を使うと、丸い模様に。

絞った部分は染料が落ちず、模様になります。
筆者は欲張ってあれもこれもと絞りましたが、果たしてどうなるでしょうか。

「もうムリがあるからやめた方が……」と言われ、できたのがこちら。

出来上がりを想像しながらも、途中でまったくどんな模様になるかわからなくなってしまいました。

準備ができたら、いざ!お湯に浸けて色を落としていきます。

今回のワークショップ開催地は「地獄蒸し工房鉄輪」

このゴッツイ顔した「鬼の口」からほとばしるお湯を使わせていただきます。

まずはお湯へドボン!誰かが使った後のお湯だったので、どのくらい色が落ちているのかは分からず……

まだまだ色が出ています。浸けては混ぜ、取り出しては浸けるの繰り返しです。

「あんまりかき混ぜると、取れちゃうよー」とのアドバイスをもらった直後、フィルムケースが外れてしまいました……。“混ぜるときは優しく”と覚えておきましょう。

色が出なくなるまで、何度も浸けます。熱い温泉のかけ流しであれば、そのままで良いそうです。

最後は水で洗い、軽く絞ります。

布が濡れているせいか、最初と色が変わったのかどうか正直よくわかりません。大丈夫かな???

輪ゴムや糸を外していきます。ちゃんとできているのか、緊張と期待の瞬間。

そしてそして……

できました!左下にある白い模様は、布に色を染める前から絞っていたもの。隣の黄色い模様は、2度目に染める前に絞った模様だそうです。

フィルムケースやビー玉、割り箸を使って絞った模様が、しっかりと浮かび上がっていますよ!

「あら、キレイねー」
「かわいいじゃなーい!」
との声をいただき、ただただ嬉しい気持ちに。もっと褒めてー!

“自分で作ったお土産”というのは、その体験もひっくるめて楽しい思い出になるなーと、しみじみと実感しました。

別府絞り・別府地獄蒸し絞り体験も 

筆者が体験した別府温泉絞り以外にも、藍染めの「別府絞り」や「別府地獄蒸し絞り」も体験可能です。

別府絞りは藍で染めます。こちらは絞ったところが白い模様になります。こちらはかまぼこ板を使った絞りのようです。

何度も何度も繰り返しずらして染めることで、グラデーションを作っています。

熟練になれば、こんな不思議な模様も作れるんです!かっこいい!!

こちらは別府地獄蒸し絞り。ポリエステルの生地を絞って蒸すと、縮んでもどらなくなり、このようなおもしろい形状になります。右が蒸す前、左が蒸した後。

不思議な生き物みたいなブローチ。ほかにもバッグ・指輪・ヘアゴムなど使い方は様々。

「別府温泉絞りを絶やしたくない」その強い気持ちと、温泉を利用した「新たな土産物を作りたい」という思いが結実し、スタートした新たな取り組み。

別府温泉絞り・別府絞りのワークショップで難しい作業はありませんから、老若男女が気軽に楽しめます。使う温泉によって色が変わるので、様々な場所で試してみたくなりますよ。

今後の開催予定は未定ですが、色々な温泉でワークショップを開く予定だそうです。ぜひ実際に体験して、楽しさを味わってみてください。

別府の人気お土産として、別府温泉絞りや別府絞りの復活をみんなで盛りあげていきましょう!

豊後絞り・別府温泉絞り情報ページ
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【参照】
豊後の絞り染め│工房 遊草庵
大分合同新聞 2017年4月14日朝刊 15面│別府温泉絞りの土産開

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