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豊後大野のしいたけ・玖珠のしいたけ・国東のしいたけ

豊後大野の山間で育った原木しいたけの乾燥スライス。真っ白で大きいスライスは香りも味も抜群で、料理の主役にも。10分で戻るのでいつでも使えるのが嬉しい。

家庭で使いやすい小粒どんこ。冬菇ならではのほどよい厚みがもたらす歯ごたえと豊かな香りが魅力で、お吸い物や茶碗蒸しはもちろん、さまざまな料理におすすめ。戻し方は、水につけて冷蔵庫で一晩。

『世界農業遺産』に登録された国東の森で作られた乾しいたけ。豊かな香りと粘りのある食感がたまらない。使いやすいスタンダードな香信(こうしん)は、お吸い物のだしから、しいたけステーキまで幅広く使える。

日本一の乾しいたけ生産量を誇る大分県。その独特な地形がもたらす気候条件、そして豊かな大地と水と風によって育てられた原木栽培のしいたけは、旨み、香りともに質が良いことで有名だ。しいたけ菌を打ち込む原木『ホダ木』が並ぶしいたけの栽培場は『ホダ場』と呼ばれている。このホダ場は「生産者の人となりを表す」と言われるほど表情豊かで個性があり、それぞれの生産者が抱く栽培へのこだわりもさまざまだ。ここでは、大分県内の多くのしいたけ生産者の中でも『Oita Made』が自信を持って推薦する「しいたけ三賢者」を紹介したい。

どの角度から見ても これほどの食材はない 

豊後大野のしいたけ 小野 今朝則さん

 豊後大野市のしいたけ農家、小野今朝則さんの作るしいたけスライスは真っ白で太くて、とても綺麗だ。

 小野さんがこだわって栽培している原木しいたけ『115』は、別名『ジャンボしいたけ』とも言われるもの。しいたけステーキなどで食される大きなぷりぷりとした種類だ。その立派なしいたけを小野さんが惜しげもなくスライスや粉にして届けるのは、なんとか乾しいたけの魅力を伝えたい、もっと身近な食材として日々の食卓に取り込んでほしいと考えるから。生しいたけは鮮度を保つのが難しいが、乾燥させることで一年中楽しむことが出来る。また、旨味や栄養成分もぎゅっと濃縮されて高くなる。栄養、味、地球に優しい栽培方法など、「どこの角度から見てもしいたけに勝る食材はない」と小野さんは誇らしげに語る。

 標高600mほどの、ここ豊後大野市朝地地区では、豊後牛の繁殖としいたけ栽培が盛んだ。小野さんはしいたけ作りと牛の飼育の両方に取組む複合経営。実はこの二つはお互いの循環の上に成り立っている。

 昔から質のよいクヌギに恵まれたというこの山間の地で、牛達は毎朝クヌギ林へ放たれる。広い林で一日中のんびり、下草をお腹いっぱいに食べ、足腰を鍛えながら、栄養たっぷりの堆肥を残してくれる。おかげで人の手で刈取りをしなくても、見渡す限り綺麗な落葉樹の林が保たれている。

 更に山の奥に進むと、クヌギ原木のしいたけのホダ場が見えてくる。

 小野さんのホダ場は整然としていて美しい。「食べ物なんだから綺麗でなくちゃいけない」というのが小野さんの口癖。その言葉の通り、ホダ場には爽やかな風が通り、静粛な空気さえも漂う。5〜6年経って役目を終えたホダ木はおがくずとなる。このふかふかのおがくずを寝床に敷いてもらった仔牛達は、身体も健康、毛並は真っ黒に輝いている

 迷いのない、完成された循環がここにはある。

おれはしいたけを好いちょるもんね 

玖珠のしいたけ 中村次男さん

 「おれはしいたけを好いちょるもんね」満面の素敵な笑顔でそう話してくれたのは、玖珠でしいたけ栽培を営む中村次男さん。中村さんは、国内の最高賞である『農林水産大臣賞』を3度も受賞したことのある、しいたけ栽培のエキスパートだ。「この人はしいたけのことばっかりよ」と言って笑うのは奥さんの冨美子さん。今年はなんとご夫婦そろって入賞という快挙を達成された、ベテランのしいたけ農家だ。

 中村さんのホダ場は軽トラで山道を分け入った先にある。斜面を覆うように並んだホダ木はごつごつとしてなんとも雄々しく、力強い山の息吹に満ちている。中村さんは椎茸農協への出荷の他に個人のお客さんへの販売もしており、中村さんの作るしいたけの熱心なファンには芸能人や著名人もいるのだそう。「10年以上買い続けてくれる人もおるもんね。ありがたいね」中村さんのしいたけには、人を惚れ込ませる力があるようだ。

 どうやったらそんなに美味しいしいたけが出来るのかと聞くと、秘訣は「適期採取」だと中村さんは答える。「他の農家では、効率重視で植菌を遅らせたりするとこもある。うちはそんなことはせん。一番良い時期に作業するよう心がけとる」さらに、ホダ場によって合うしいたけの菌は違うらしく、相性を見ながら最も美味しく出来る菌を探すのだとか。「たとえ自分が杖ついて歩くようになっても、人を雇ってでも、おれはしいたけを作り続ける」そう語る中村さんの眼差しには、職人の強いこだわりと、しいたけへの深い愛情が満ちている。

国東の大地も育てているんです 

国東のしいたけ 園田豊稔(みのる)さん

 国東半島のちょうど真ん中の山間に、園田豊稔さんのホダ場はある。太い木から細い木までサイズごとに綺麗に並べ、クヌギの木を上から下まで無駄にせず活用している。

 国東半島は宇佐地域とともに、2013年に『世界農業遺産』に登録された。その大きな要因のひとつが、国東のクヌギ林の循環とため池のシステムだ。クヌギの木は伐採しても、約16年で元の大きさまで成長する。豊稔さんは16へクタールのクヌギ林を管理しており、年に1ヘクタールずつ伐採してそれを原木にする。つまり、森を消耗させないサイクルを作っているのだ。そんな豊稔さんが育てたしいたけは品質が高く、品評会でも数々の賞をもらっている。「しいたけだけじゃなく、国東の大地も育ててるんです」森や山に対する豊稔さんの姿勢は、とても謙虚であたたかい。

 「しいたけが苦手な子も、ここに来ると食べられるようになるんですよ」と奥さんの和子さん。園田さんの家には、子供たちが農業体験をしながら宿泊する「農泊体験」を受け入れている。豊稔さんと一緒にしいたけを採りにいって、和子さんと一緒に料理する。いつもはスーパーで並んだところしか見たことがない子供達にとって、山間のホダ場は新鮮な光景だった様子。

 お昼は、自分達で作った椎茸の天ぷらとお吸い物。肉厚で香りも良く、ぷりぷりな歯ごたえに「美味しい!」と、すっかり食べてしまった。

 「しいたけ農家さんって、みんな本当に元気なのよ。しいたけの栄養のお陰かな」と、二人がフフッと笑う。きっと、この森のサイクルに合わせ生きているからだと、二人の自然な佇まいから、そう感じられた。

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