
- 12 Fri. 2016up BEPPU-EKI お食事処 とよ常 北浜本店
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Eau de vie はフランス語で命の水という意味。つまりブランデーのこと。「オードビー」の扉を開けるほどに、良いお酒と人生を知っていくのかもしれない。
「成人の祝いだ。酒の飲み方も知らないようじゃ1人前の男とは言えない。俺の馴染みで教わってこいと、父親に送り出されてね」このお店に通い始めたころのことを、隣に座った常連さんが話してくれた。
カウンターの向こうでは、この店のマスターである阿部さんが黙々と作業をしている。リンゴの皮を剥くような動きが気になって眺めていると大きな塊から削り出されたのは氷の水晶。「岩みたいでしょ。これで飲むのがオン・ザ・ロック」とにっこり微笑む。
ロックグラスに削り出した水晶とブランデーを注ぎながら「Eau de vie はフランス語で命の水という意味。つまりブランデーのことなんだよ」と教えてくれた。
板氷から1つずつ削り出されていくロックアイスは水晶のよう
「短い舞台を見ているような気分にさせてくれるこのお店が大好きでね。気が付くとまたカウンターに腰掛けてしまうんだよね。ここに集まる馴染みの顔も増えたなぁ」と常連さん。時には浴衣姿の観光客と一緒になって阿部さんの話に耳を傾け、すっかり意気投合した人と何ヶ月も経ってここで再会することもあったのだという。
ほんの少し緊張がほぐれ、わからないながらもどんなお酒が好きかを伝えると「はい」と紳士的に答える阿部さん。スッと居住まいを正し呼吸を整え、艶やかなオレンジを1つ手に取った。ナイフを入れた瞬間、霧状に広がるしぶきの爽やかな香りがカウンターの端の席まで香ってくる。搾ったばかりの瑞々しい果汁をそっと集め、水晶のかけらと一緒にシェーカーに注ぐ。
もう1度呼吸を整えて、真一文字に口を引き結び全力でシェイクする。手のひらで大事に包み込むように持ったシェーカーはうっすらと白いベールのような水滴をまとう。しく揺さぶったカクテルをねぎらうように、華奢なグラスにそっと注ぐ。そこでようやく真一文字に結ばれた阿部さんの口元は緩む。
色鮮やかなカクテルを口に運んでいると、「飲める口を持っているね」と、阿部さん。
そう言われると、自覚はなかったけれど、そんな気もしてくる。最初はカウンターの隅で緊張していたお客さんが、成長して自分のバーを出すこともあるのだとか。きっと阿部さんが少しずつお酒の知識を教えてくれるおかげで、お酒の楽しみ方を覚えていくのだろう。「オードビー」の扉を開けるほどに、良いお酒と人生を知っていくのかもしれない。
別府八湯をイメージしたカクテルはそれぞれ個性的
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