温泉

駅前高等温泉

白壁に緑色のトンガリ屋根。大正浪漫をまとった姿。駅前高等温泉は昔も今も、これからも、このまちの暮らしの真ん中にある。

このまちの宝 駅前高等温泉 

 白壁に緑色のトンガリ屋根。大正浪漫をまとった姿に思わず足を止めてしまった。見上げた建物の右側には「駅前温泉」、左側に「高等温泉」の文字が堂々と掲げられている。ガラス戸を開けると「高等湯」「並湯」と書かれた、2つの入口があった。迎えてくれた番台さんに「高等湯にはあつ湯とぬる湯がありますよ。並湯はちょっと熱めよ。熱いお湯は大丈夫?」と尋ねられた。少し迷いながらも、並湯を選択。

 のれんをくぐった先には、ピンク色に染められたお風呂場があった。赤、青、ピンクに黄色、色とりどりのガラスをすり抜けた光が、おだやかにお風呂場を包んでいる。かかり湯でお湯の熱さを馴染ませながら、体を清めて湯船へ。お湯の静かな流れに身をゆだねていると、まちの真ん中にいることを忘れてしまう。

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 温泉成分に染められた湯船が、80才を超えるこの温泉の永い時を物語る。木造の建物が立ち並ぶ景色の中、ドイツ建築様式のお洒落な温泉はまちのみんなの自慢だったそう。子どもも大人もこぞってこの温泉に訪れては、温かなお湯を楽しんでいた。「高等」の名前はみんなの自慢の証。

 お風呂に来てみんなでおしゃべりするのが楽しみなんだと、にこにこ笑うお母さん。「用事があって来られないときは、『今日は行かんよ』ってここに電話するんよ。こんとみんなが心配するけんね」お湯の中で心と心が行ったり、来たり。やっぱり温泉はみんなで入るのが一番。

 「気持ち良かったかい?」番台から声を掛けてくれたおじいちゃんは管理人さん。昭和10年代からずっと通っている筋金入りの常連でもあった。子ども時代、ここら一帯は空き地で、ビリヤードのお店とこの洒落た温泉があった。当時はまだお風呂の数も少なくて、とにかく多くの人たちがここに集まってきていたのだそう。
「この温泉のおかげで恩恵をたくさん受けた。この高等温泉は、駅前町の宝。だから大事に残していかんと」そう愛おしそうに話してくれた。管理人さんをしているのには、そんな恩返しと恩送りの気持ちがあるのかもしれない。
おじいちゃんが繰り返した「このまちの宝だ」という言葉が忘れられない。駅前高等温泉は昔も今も、これからも、このまちの暮らしの真ん中にある。

のれんをくぐった先には、ピンク色に染められたお風呂場が

みんなの温泉です。ルールを守って気持ち良く、楽しく入りましょう

住所
〒874-0935 大分県別府市 駅前町13-14 
アクセス
別府駅から徒歩2分 
TEL
0977-21-0541 
営業時間
6:00~24:00 
料金
ぬる湯・あつ湯 各200円 

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