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香蘭荘

別府駅近くの高架沿いに静かに佇む、創業50余年のお菓子屋さん「香蘭荘」。辺り一面に広がる香りに誘われて、近くに住む人がお菓子を買いに飛び込んでくることもあるのだそう。

作り続けたいなぁ 

きめ細やかな生地にたっぷりとブランデーを含ませる ブランデーケーキ 1,400円

別府駅近くの高架沿いに静かに佇む、創業50余年のお菓子屋さん「香蘭荘」。まるで旅館のような名前のお店は、元々は旅館街の中にあった貸間(自炊宿)だったのだそう。

ご主人の田中久重さんが弟子入りしたのは、15歳のとき。
「そのころはもうお菓子の卸業を始めていて、朝6時から働きよった。仲間は20人ぐらいおって、みんな仲が良かったなぁ。同じ釜の飯を食った仲っち言うんかな」その後お店が畳まれるときに、店の看板を継がないかと声を掛けられ、元々実家があった今の場所にオープンさせた。
「なんでそんなところに店をオープンするんかって心配されたんよ」と奥さんの加代子さん。今の場所は、当時華やかだった別府の中でも、人通りが少なかったのだとか。

ショーケースには、豆大福やマドレーヌなど、和菓子から洋菓子まで並んでいる。お店を代表する、ブランデーケーキが誕生したのは今から30年程前のこと。
「お客さんに『どれがおすすめですか?』ってよく聞かれたんよ。そのときに答えられるものがほしいなぁと思ってな。よそのブランデーケーキを食べたことがないから、最初は試行錯誤で、ブランデーの配合が強すぎたときは、食べた人が顔を真っ赤にさせてたわ」と笑う。

懐かしいお話を聞いているうちに、気付くとオーブンから甘い香りが漂ってきた。辺り一面に広がる香りに誘われて、近くに住む人がお菓子を買いに飛び込んでくることもあるのだそう。
「外に出ると、香りにつられて犬が後を付いてくるんですよ」と娘の直美さん。久重さんが、ふんわり焼き上げられた生地の上にハケを滑らせる。ブランデーは芳醇な香りを放ちながら、ぐんぐんと生地に吸い込まれていく。店頭に並べられるのは、実は2~3日後で、それまでは熟成期間なのだそう。
丁寧に作られたお菓子を求めて、今日も人が訪れる。「1人で作っているから、量は作れないけど、元気なうちは作り続けたいなぁ」久重さんは呟いた。「こんなに目立たない場所で、よく続いたなぁ。本当に、ありがたいなぁ」

家族3人の共同作業

住所
大分県別府市南的ケ浜町1−3 
TEL
0977-22-0405 
営業時間
9:00~18:00 定休日:月曜日・日曜日 

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