今月のイベント

食べる

蔵ギャラリー& 喫茶 しばた 柴田さん

「いらっしゃい、外は寒かったでしょう」と割烹着姿の店主が迎えてくれた。コーヒーを淹れてもらいながら会話が楽しく弾む。「蔵ギャラリー& 喫茶 しばた」店主の柴田さん。

密やかに輝く女性でありたい 

 靴を脱ぎ、スリッパに履き替えてドアを開けると、かすかなコーヒーと木の香り。
「いらっしゃい、外は寒かったでしょう」と割烹着姿の店主が迎えてくれた。今朝の新聞のことや、最近食べて美味しかったもののことなど、コーヒーを淹れてもらいながら会話が楽しく弾む。

「70 代になって、肩の力が抜けてすごく楽しいの」と柴田さん

 店主の柴田初子さんは、今でこそ色々としゃべりかけてくれるが、昔は正反対だったのだそう。
「小さいころ、体が弱い私を母はとても守ってくれた。その反面、私は自分の意思で物事を決めたり、話したり、という経験がなかったのね」。
柴田さんが大きく変わったのは、21歳のころ。「母が亡くなってね。これからどうやって生きていこうと途方にくれた。
あまりに自分の言葉で話すということが出来なかったから、特訓をしようと思ったの」東京に行き、人前でスピーチをする練習などを行う学校に通い、1年程経ったころ「柴田さんはもう大丈夫だよ」と先生に言われたのだという。

20 代の和裁、洋裁に始まり、7 0 代は長唄、三味線にチャレンジ中と柴田さん

 その後、別府に帰り結婚し、手芸などの習い事を始めた。
30代のころ、自宅のガレージを改装し、知人の作品を販売する「蔵ギャラリー& 喫茶 しばた」をオープンさせた。
「でもお店をオープンしたばかりのときは、毎日『今日はお客様が来ませんように』と祈っていたし、ドアが開くとびくびくしてね。
何を話したらいいのかしらって、いつも怖かった。喫茶の経験も無かったしね」
そんな柴田さんに「コーヒーを上手く淹れることが出来なかったら、出前をとればいいんだから」と優しい言葉を掛けてくれるお客さんも多く、みんなに支えられ今までやってきたのだとか。
「今では、こっちから捕まえてしゃべっちゃうわね。こんなにカウンターから出てくる店主はいないって、お客さんに言われちゃうくらい」人の意見を素直に聞き、前向きな気持ちがあったら人は変われるものね、と笑う。

母の物差しを使って、三味線の指捌きの練習

 今まで自分がやってきたことを振り返ってみたのだと、1枚の紙を見せてくれた。20代から70代まで、年代毎に綴られた習い事は20を超えていた。
「やったことがないことにチャレンジするのが好きね。常にアンテナを張り巡らせているし、生涯現役で人生を楽しんでいきたい。密やかに、輝くような魅力を持つ女性になりたいわね」

 都合で延期になってしまったけれど、今日は長唄のお稽古の日だったのよ、と話す柴田さんの目は、まるで少女のようにキラキラと輝いていた。

59 歳のときに、お孫さんと一緒にバレエの初舞台に立ったのだそう

住所
〒874-0934 大分県別府市駅前本町1−15 
TEL
0977-21-6159 
営業時間
11:00~17:30 定休日: 日曜、祝日 

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