暮らす

中小路さん

中小路さんは松原温泉の番台さん。「たまに休むと近所の子どもに『昨日、温泉のばあちゃんおらんかった』っち、言われるんよ。」「また来てな」と一言。この笑顔に会いたくて、毎日松原温泉に通う人が絶えないのだろう。

また、来てな 

永石(なげし)通り沿いのバス停の前に両手いっぱいに柚子を抱えているおばあちゃん。
声を掛けると「今日は柚子湯やけん、まずお薬師さんにあげんとね」と1つずつ並べ始めた。中小路さんは松原温泉の番台さん。「冬至には柚子、お正月にはざぼん、5月の節句には菖蒲をお風呂に入れるんよ。みんな喜んでくれるわぁ」温泉での年中行事を楽しみにしている人も多いという。

両手いっぱいに柚子を抱えているおばあちゃん。声を掛けると「今日は柚子湯やけん、まずお薬師さんにあげんとね」と1つずつ並べ始めた。

午後の入浴時間には少し早かったけれど、「掃除も終わったからどうぞ。お日様の光が入って、暖かくて明るいんよ」と案内してくれた。
その言葉通り、南側から射し込む太陽の光に照らされた浴室は湯気のぬくもりだけではない暖かさが広がっていた。小判型の湯船が真ん中で仕切られていて向かって右側が熱め、左側がぬるめのお湯。入浴に関する決まり事が書かれた看板は昭和33年に地区で管理するようになってからずっと使い続けているそうだ。

入湯料は100 円

昼下がりの温泉に、おばあちゃんたちがおしゃべりしながら次々入ってくる。地元の人には傷治しの湯と呼ばれているそうで「指先を怪我しても、止血してお湯に浸けるとすぐ治る。絆創膏貼るより良いんよ」。傷が絶えない、つげ細工の職人さんも通っているのだと常連のおばあちゃんが教えてくれた。

湯船の中で常連さんとおしゃべりしていると、「昨日、洗面器忘れて行かんかったかえ?」と中小路さんが浴室へ入ってきた。お湯に浸かっている常連さんとおしゃべりしながら、洗い場に落ちたごみを手際良く拾い集めていく。
「入るときに気持ち良いほうがいいやろ」気が付くたびにごみを拾い集めたり、排水溝の掃除するのが習慣なんだとか。

髪洗い用の「ミニ滝湯」は女湯のみ

午後3時から番台に入る中小路さん。
「たまに休むと近所の子どもに『昨日、温泉のばあちゃんおらんかった』っち、言われるんよ。この間まで赤ちゃんやった子があっという間に大きくなるけんねぇ」

毎日、顔を出す人の姿が見えないと心配になるという。番台の仕事は楽しいときもあるし、たまに悲しいときもあると言葉を濁したが、次の瞬間には元通りの笑顔で「また来てな」と一言。
この笑顔に会いたくて、毎日松原温泉に通う人が絶えないのだろう。

中小路さんは松原温泉の番台さん。「また来てな」と一言。この笑顔に会いたくて、毎日松原温泉に通う人が絶えないのだろう。

住所
大分県別府市松原町3−4 松原一区公民館 
料金
入湯料 100 円 

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