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まつぼっくりのおいちゃん

檜垣さんは今年97歳を迎える。そのパワーの源を尋ねると「人が喜ぶ顔を見るのが好きなんや。元気に色々しよったら、みんな喜ぶけん」とまた大きく口を開けて笑う。カラフルなまつぼっくりみたいに、素朴だけれど晴れやかな笑顔だった。

人の喜ぶ顔を見るのが好きなんや 

「グラウンドゴルフは最近ちぃっと成績が悪りぃ、練習不足や」「畑にバナナ植えちょんのやけど、食べても旨くないかなぁ? 何か新しい作物植えてみようかな」次々と出てくるおじいちゃんの考えごと。檜垣隆二さんは今年97歳を迎える。

垣さんの趣味は多い。
グラウンドゴルフに、写真に、畑仕事。毎日詠む俳句は、気に入ったものをお世話になった人への手紙に書き添える。以前はよく釣りにも出掛けていたそうだ。
そんな檜垣さんのご自慢の1つが鮮やかに彩られた大小のまつぼっくり。1つ1つ金色の台に乗せられ、通りを行く人の目を楽しませている。風に飛ばされないようにと、まつぼっくりを固定させているディスプレイ用の白い棚も檜垣さんのお手製なのだそう。
「グラウンドゴルフしよった時な、よぉけ、まつぼっくりが落ちちょったんよ。色塗ったら綺麗かなっち思って塗ってみた」と、大きな口を開けて笑いながら「ちょっと、寄りよ」と特別に作業場に案内してくれた。「ぴしっと整理せな悪りぃ」几帳面な性格で、きちんと整理しないと気分が悪いのだそうだ。
作業場へ向かう途中の壁一面に釣具が行儀良く並べられている。ウキはほとんど手作りで、着色も自分で行っていたそう。そのときに使っていた塗料でまつぼっくりのペイントを始めたのだとか。
季節によって表のディスプレイも模様替えしている。季節感に溢れる檜垣さんのディスプレイを楽しみに、写真を撮りに来る人も多い。

「台風で飛ばされんよう、1個ずつ固定しちょんので」と檜垣さん

最近は「落ちちょったで」と、馴染みの園芸屋さんがまつぼっくりを拾い集めて持ってきてくれることもあるという。そのお礼に檜垣さんは綺麗に彩色したまつぼっくりを届けに自転車で出かけるそうだ。

近況報告の手紙に添えるため、俳句を書きためたノートを眺めながら「色々することがあって忙しい」と言う檜垣さん。
そのパワーの源を尋ねると「人が喜ぶ顔を見るのが好きなんや。元気に色々しよったら、みんな喜ぶけん」とまた大きく口を開けて笑う。カラフルなまつぼっくりみたいに、素朴だけれど晴れやかな笑顔だった。

檜垣さんのご自慢の1つが鮮やかに彩られた大小のまつぼっくり。

畑で育てたひょうたんを水抜きしてから彩色する

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