
- 27 Thu. 2020up OTHER 別府八湯ウォーク
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威風堂々。どっしりそびえ立つ豪壮な建物。お寺? 旅館?
いいえ、ここはみんなが集う公共の湯。『竹瓦温泉』へようこそ。
「はい、いらっしゃい」
番台のお母さんの笑顔が迎えてくれた。
「お風呂は100円よ。うちは洗面器しかないからね。タオルは持ってる?」差し出されたタオルにはレトロなイラストがプリントされている。旅の思い出にと1枚購入した。
「お風呂はのれんの奥よ。ごゆっくりしていってね」
広間に足を踏み入れたら、時が止まっているような静かな空間が広がっていた。チクタクチクタクと、古時計がゆっくりと時をすすめる。「時間はあるよ。ゆっくり休んでいきなさい」って言ってくれているみたい。
えんじ色ののれんと日本髪の女性のシルエットが掲げられているのが女湯の入り口。
その1 、用具はイスと洗面器のみアメニティはご自身で
その2 、脱衣所入口のドアは開いたまま気になる方は奥の方へ
その3 、入浴前に下半身を綺麗に洗うこと
その4 、湯船のふちに腰かけない
その5 、源泉温度は少々熱め ぬる湯好きの方は壁際の水道そばがおすすめ
その6 、湯あがりは広い休憩所でのんびりと
みんなの温泉です。
ルールを守って気持ちよく、楽しく入りましょう。
竹瓦温泉の作法
おばあちゃんの昔話
砂湯イラストのタオル
「あぁ、いいお湯やった」
髪をふきふき、ほんのり赤ら顔したおじいちゃんのお風呂セットを拝見。くたくたのナイロン袋の中には使いこまれた洗面器とボディタオル、そして大きな石鹸箱。
「こりゃ牛乳の石鹸じゃ。こんな大きな石鹸を使いようもんはおらんじゃろう。やっぱぁこれがいい」牛乳の石鹸もしあわせものだ。
もう1つ、ナイロン袋につながれた定期入れ。差し込まれた紙には1~180 までの数字と赤○印。
「これはな、年とるともらえるお風呂の券じゃ。ええじゃろ」ハッハッハとちょっぴり自慢気なおじいちゃん。180回分ですか?と尋ねると
「そう、180 日分」
そうか、ここは湯のまち別府。温泉は毎日のお風呂だ。なんて贅沢。うらやましい!
ひんやりとして滑らかな広場の先に「元町公民館」の立札がある。番台さんに尋ねると、2階が公民館になっているのだという。
「今日は老人会の集まりがあるよ」別府の公共温泉のほとんどは、集会場を兼ねているとか。集いの場が温泉だなんて、別府温泉は温かいところ。
『竹瓦温泉』のもう1つの温泉、「砂湯」を覗いてみた。
こんもり盛られた砂の中で、若い女性もおじさんもピンク色の顔をしておやすみ中。湿度60%、ポタポタ汗を落としながら砂を均ならす砂かけさんのお肌はとっても綺麗。
「汗と温泉のおかげですかね。暑いけど、お客さんが喜んでくれるとうれしいから」
こぼれる汗がきらきら光っていた。
明治12年、竹瓦葺きの温泉が建てられた。
後に瓦葺きに改修されたため、当時の姿を偲んで「竹瓦温泉」と呼ばれるようになった。
現在の建物は昭和13年に造られたもので、唐破風(からはふ)造りの屋根と昭和初期の面影をのこす、別府温泉のシンボル。
泉質
【普通浴】 男湯 塩化物泉/女湯 炭酸水素塩泉
【砂湯】 炭酸水素塩泉
温泉満喫、おしゃべりも満喫。疲れはすっかりお湯にとけていってしまったようで、気分も爽快。
「また来てね」
見送ってくれた番台のお母さんに元気に挨拶して、のれんをくぐった。
いいお天気。
さぁ、また旅のつづきをはじめよう。
別府市は、株式会社ビームス(本社:東京都渋谷区、代表取締役:設楽洋)のプロデュースによる新プロジェクト「BEPPU* Local Paragraphs」を立ち上げ、
突然ですが「べっぷぢごくすごろく」完成しました。
『別府ONSENアカデミア』は、温泉の様々な魅力を検証し、大切な資源である温泉を守りながら、国内の多くの温泉地とともに新たな温泉の可能性を全国、そして世界に向けて発信する温泉のシンポジウムです。
別府の古墳は、血の池地獄の泥で赤く塗られている そんな話をご存知だろうか? 6世紀後半から7世紀初頭(今から1400年以上前)には、地獄の泥が塗料として利用されていたというのだ。 別府の知られざる古代ロマンを紐解いてみよう。
一人べっぷカレージャンボリー「カレー道引退宣言⁉」 其の三
別府には日本の源泉の約1割にあたる、約2300の源泉があり、その中の約140湯の共同温泉やホテル旅館の温泉が、この温泉道に参加しており、その中の88湯をめぐり「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳にスタンプを集めることで、「別府八湯温泉道名人」の称号を与えられます。
別府には日本の源泉の約1割にあたる、約2300の源泉があり、その中の約140湯の共同温泉やホテル旅館の温泉が、この温泉道に参加しており、その中の88湯をめぐり「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳にスタンプを集めることで、「別府八湯温泉道名人」の称号を与えられます。