温泉

竹瓦温泉

威風堂々。どっしりそびえ立つ豪壮な建物。お寺? 旅館?
いいえ、ここはみんなが集う公共の湯。『竹瓦温泉』へようこそ。

「はい、いらっしゃい」
 番台のお母さんの笑顔が迎えてくれた。
 「お風呂は100円よ。うちは洗面器しかないからね。タオルは持ってる?」差し出されたタオルにはレトロなイラストがプリントされている。旅の思い出にと1枚購入した。
「お風呂はのれんの奥よ。ごゆっくりしていってね」
 広間に足を踏み入れたら、時が止まっているような静かな空間が広がっていた。チクタクチクタクと、古時計がゆっくりと時をすすめる。「時間はあるよ。ゆっくり休んでいきなさい」って言ってくれているみたい。
 えんじ色ののれんと日本髪の女性のシルエットが掲げられているのが女湯の入り口。

「竹瓦温泉」の入り方

その1 、用具はイスと洗面器のみアメニティはご自身で
その2 、脱衣所入口のドアは開いたまま気になる方は奥の方へ
その3 、入浴前に下半身を綺麗に洗うこと
その4 、湯船のふちに腰かけない
その5 、源泉温度は少々熱め ぬる湯好きの方は壁際の水道そばがおすすめ
その6 、湯あがりは広い休憩所でのんびりと
みんなの温泉です。
ルールを守って気持ちよく、楽しく入りましょう。

― 今日得たもの―

竹瓦温泉の作法
おばあちゃんの昔話
砂湯イラストのタオル

「あぁ、いいお湯やった」
 髪をふきふき、ほんのり赤ら顔したおじいちゃんのお風呂セットを拝見。くたくたのナイロン袋の中には使いこまれた洗面器とボディタオル、そして大きな石鹸箱。
 「こりゃ牛乳の石鹸じゃ。こんな大きな石鹸を使いようもんはおらんじゃろう。やっぱぁこれがいい」牛乳の石鹸もしあわせものだ。
 もう1つ、ナイロン袋につながれた定期入れ。差し込まれた紙には1~180 までの数字と赤○印。
 「これはな、年とるともらえるお風呂の券じゃ。ええじゃろ」ハッハッハとちょっぴり自慢気なおじいちゃん。180回分ですか?と尋ねると
「そう、180 日分」
 そうか、ここは湯のまち別府。温泉は毎日のお風呂だ。なんて贅沢。うらやましい!

 ひんやりとして滑らかな広場の先に「元町公民館」の立札がある。番台さんに尋ねると、2階が公民館になっているのだという。
 「今日は老人会の集まりがあるよ」別府の公共温泉のほとんどは、集会場を兼ねているとか。集いの場が温泉だなんて、別府温泉は温かいところ。

 『竹瓦温泉』のもう1つの温泉、「砂湯」を覗いてみた。
 こんもり盛られた砂の中で、若い女性もおじさんもピンク色の顔をしておやすみ中。湿度60%、ポタポタ汗を落としながら砂を均ならす砂かけさんのお肌はとっても綺麗。
「汗と温泉のおかげですかね。暑いけど、お客さんが喜んでくれるとうれしいから」
 こぼれる汗がきらきら光っていた。

竹瓦温泉

明治12年、竹瓦葺きの温泉が建てられた。
後に瓦葺きに改修されたため、当時の姿を偲んで「竹瓦温泉」と呼ばれるようになった。
現在の建物は昭和13年に造られたもので、唐破風(からはふ)造りの屋根と昭和初期の面影をのこす、別府温泉のシンボル。

泉質
【普通浴】 男湯 塩化物泉/女湯 炭酸水素塩泉
【砂湯】 炭酸水素塩泉

 温泉満喫、おしゃべりも満喫。疲れはすっかりお湯にとけていってしまったようで、気分も爽快。
「また来てね」
 見送ってくれた番台のお母さんに元気に挨拶して、のれんをくぐった。
 いいお天気。
 さぁ、また旅のつづきをはじめよう。

住所
日本, 〒874-0944 大分県別府市元町16−23 竹瓦温泉 
アクセス
別府駅より徒歩10分 駐車場なし 
TEL
0977-23-1585 
営業時間
普通浴6:30 ~ 22:30、 砂湯8:00 ~ 22:30(最終受付21: 30) 
料金
普通浴100円、砂湯1,000円 

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