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鶴子先生

「最初に取り上げた子はもう70歳くらいやねぇかな」助産師として多くの命の誕生を見つめ続けてきた友成鶴子さん。

自分の体を観察して、強うならんと 

「最初に取り上げた子はもう70歳くらいやねぇかな」

助産師として多くの命の誕生を見つめ続けてきた友成鶴子さん。
友成さんが取り上げた赤ちゃんの数は1万人を超えるという。自分自身も2人の子どもを出産し、育児をしながらまちの助産院を営んでいた。「お産はいつ来るかわからんけんねぇ、自分の子どもが小さいときは夜中でも、おぶってから駆け付けよったわ」

産後のボディラインについてなど、女性の気になる話題も豊富

友成さんは今年89歳。
やわらかそうな肌は年齢を感じさせない。それでも、最近は愛犬の散歩もつらくなってしまい、お孫さんに任せているのだという。
およそ5年前、分娩やそれに伴う入院の受け入れを止め、診察や産前産後の指導などを行っていたが、つい先日「友成助産院」の看板を下ろしてしまったそうだ。それでも「鶴子先生」と、友成さんを頼る妊婦さんや、ここで出産したお母さん方から、出産や育児についての相談が寄せられる。「最近の若い人は、お乳が出らんっちよく言うけど、子どもが出来たと分かったときからマッサージを始めて、お乳を飲ませる準備をするといいんよ。産んだ後でもマッサージしてごらんなさい、ほとんどの人が出るんやけん」とマッサージの方法を教えてくれた。

およそ5年前、分娩やそれに伴う入院の受け入れを止め、診察や産前産後の指導などを行っていたが、つい先日「友成助産院」の看板を下ろしてしまったそうだ。

12人兄弟の長女として生まれた友成さんは、幼いころから母親が出産する様子を見守っていた。学校を卒業し、自然と助産師の道を進んでいたそうだ。
「生まれてくる瞬間は、もう何とも言えんな。また次に生まれ変わっても助産師するわ」と目を細めて笑う。
第1線を離れた今も、電話などで相談を受けており、優しく、厳しいアドバイスで妊婦さんを安心させている。
しかし、電話を切った後に相談してきた方のことが気になってしまい、「大丈夫やったやろうか」と、夢に見てしまうこともあるという。インターネットや書籍など、様々な場所で情報を手に入れられる世の中だが、情報に振り回され、何でもないことで病院に駆け込む妊婦さんも多いそうだ。正しく勉強してしっかり自分の体を観察することが肝心、と友成さん。

「自分の体のことを覚えないけんわ、こんな体調のときはどうしたら楽になるか、経験で分かるやろ? まず自分で考えんといかんわな。それと、お姑さんやら他の人に聞くことも大事やわ」。
1人1人体に違いがあるのだから、薬の塗り方1つでも、自分で考えて観察することが大事だという。
「度胸つけて、強うならんとな。まだ先のことかもしれんけど、なんかあったら相談しよ」そう言いながら友成さんは、温かい手で肩をたたいてくれた。

「もう、数えで90 やわ」と元気な笑顔

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