
- 28 Mon. 2016up KANNAWA 地獄蒸し工房 鉄輪
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絶叫マシンにペアで挑むと、吊り橋効果が得られるのではないか?
ふと立ちはだかった疑問に答えを出すべく、九州でも有数のジェットコースターや恐怖アトラクションを有する「城島高原パーク」にやってきた。
絶叫マシンにペアで挑むと、吊り橋効果が得られるのではないか?
ふと立ちはだかった疑問に答えを出すべく、九州でも有数のジェットコースターや恐怖アトラクションを有する「城島高原パーク」にやってきた。
被験者は名も知らず面識もないふたりの男女。絶叫マシンのドキドキに連続チャレンジすると、もしかして恋心は芽生えるのだろうか?
【吊り橋効果とは】
吊り橋のように恐怖や不安のあるスリリングな場所で出会うと、場所に対するドキドキを相手へのドキドキだと勘違いして、恋などが芽生えてしまう心理効果のこと
そんなわけで、初めて出会う男と女。お互いにぎこちない「はじめまして」のあいさつを交わす。
実験に参加してくれたのは下記の2名だ。
●山村彌香(みか)さん 22歳
APU(立命館アジア太平洋大学)4回生、
福岡県出身
恋愛対象:35歳まで
ジェットコースター大好き
ひとこと「とにかく楽しみです!」
●河口敬一郎氏 45歳
別府のフリーマガジン『eyan(イーヤン)』編集長
大分県出身
恋愛対象:生物全般
趣味は宇宙と将棋
ひとこと「別府の男性代表として、吊り橋効果実験に貢献します!」
記念すべき最初の絶叫マシンは、「ポセイドン30」。巨大な水しぶきを上げ、地上30mから水面へダイブする迫力のアトラクションだ。
屋根で覆われているため、乗車中に濡れる心配はない。
【ポセイドン30 分析データ】
スリル ★☆☆☆☆
爽快感 ★★★★☆
水しぶき ★★★★★
「これはまだまだ余裕ですね」笑顔を見せながら順番を待つふたり。
「行ってきます」のポーズにも余裕が感じられる。
係員さんのから「意外と衝撃が強いので、着水時にはしっかり手足を突っ張ってください」との注意があった。
多少ビビリが入る河口氏。最初からコレで大丈夫だろうか。
正しい乗り方は、たぬきさんのイラストを参照したい。
ふたりを乗せた船状の乗り物は、ゆっくりと坂を上り
するするとレールの上を走り……
ドバッシャーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!
辺り一面に水を跳ね上げながら、豪快に着水した。しぶきの凄まじさに本体が見えない。ギラギラと陽射しの照り付ける炎天下、とにかく大迫力。
乗り終えて「楽しかった!」と、まずまず好調な滑り出しのようだ。
ぐるんぐるんと宙返りしながら、ひねりまで加えて爆走する「スーパーL&Sコースター」。完全に逆さまになって、地面が上に見える体験ができる。
【スーパーL&Sコースター 分析データ】
スリル ★★★☆☆
ひねり ★★★★☆
宙返り ★★★★★
乗車前の楽しげなふたり。
加速するコースター、満面の笑みでハシャぐミカさん。
一方その隣で、宙返り+ひねりの連続に顔がこわばる河口氏。
対照的なふたりの表情をじっくりと見比べてほしい。
ミカさん「河口さん怖がりすぎでしょ!」
河口氏「これは……ちょっとヤバかったですねぇ~」
降りてくるなり、本音がぽろりの河口氏、ヘタレの片鱗が見え隠れしている。
程よいスリルを味わったところで、しばし休息。立て続けに2本のジェットコースターを乗り終えたふたりは、少しだけ距離が縮まった様子。アイスで乾杯している。
河口氏はラムネ&バニラのミックスソフトクリーム。見た目も涼しげなラムネ味のソフトクリームは、暑い日にぴったり。
ミカさんが選んだのはディッピンアイスのストロベリーチーズケーキ味。つぶつぶの食感が楽しく、暑さの中でも溶けづらいアイスだ。
「これはうまい!美味しいです!けどね、暑い日は店内で食べた方がいいですね!!!!」
言ってるうちにダラダラと、半分くらいのアイスクリームが液体になって垂れてしまった。こんなハプニングも、吊り橋効果がある……のかな?
次に挑むのは、地上40mから垂直落下する「ニュートン」。高い所からヒュンっと落ちる独特の感覚は、身震いする恐ろしさだ。
【ニュートン 分析データ】
スリル ★★★★★
無重力 ★★★★★
眺望 ★★★★★
「あんな高いとこまでのぼるんですね」心なしか小声。垂直にそそり立つマシンを前に、顔面の色がだんだんと蒼白になっていく。
一方のミカさん、ここでも楽しそうな様子。
ミカさん「ちょっ……大丈夫ですって河口さん!顔ヤバイですよ」
河口氏「いやいや、これは本当に、やっぱりヤメにするのはダメですかね?」
そんな会話を繰り広げていたようだ。
上にのぼって落ちるだけ。ただそれだけのことが、とてつもなく怖い!!!!
塔の頂点から落下する無重力の数秒間、内臓までもヒュンっと持ち上がる瞬間だ。
「これは結構コワかったですーっ!」さすがのミカさんも恐怖を感じた様子。ここにきて、初めて「楽しい」以外の感想が飛び出した。ドキドキ指数も上がったのではないだろうか。
「いやいやいやいや、これはダメでしょ」
河口氏は、すっかりヘロヘロして脱力状態だ。
日本初の木製コースター「ジュピター」。約6万本もの木材を組み合わせてできている、城島高原パーク人気No.1アトラクションだ。
乗車時間は3分ほどと長く、木特有の“きしみ”や“しなり”が他にはない恐怖を生み出している。
【ジュピター 分析データ】
スリル ★★★★☆
きしみ ★★★★★
ぶつかりそう ★★★★★
コースターが発射する前の高揚感は、ふたりの仲を縮めるのに一役買っているに違いない。
疾走するコースターの上で、両者手をあげる御両人。このうえなく楽しそう!
「ギシギシいうのがスゴイ!」「ぶつかりそうで怖い」などなど、他のジェットコースターにはない恐怖体験ができたと言うふたり。
カップラーメンができるほどの長い時間、絶叫マシンで隣同士のふたりは、ドキドキ指数もさぞ上昇したことだろう。
このふたりを見てほしい。仲睦まじくパンダに乗っている。吊り橋効果、いよいよ発揮されてきたのか!?
そして最後のアトラクション。満を持して向かったのは九州で最も恐いと言っても過言ではない、スリル満点のアトラクション「バードマン」。
ロープだけで宙ぶらりんになり人間ブランコになれる、ちょっとクレイジーな絶叫体験マシンだ。
“鳥のように、大空を飛びたいあなたに!勇気と思い切りが大切なアトラクション。”
城島高原パークの説明より
ふたり一緒に体験できるため、吊り橋効果を実証するにはうってつけのアトラクションと言えるだろう。
【バードマン 分析データ】
スリル ★★★★★
恐怖 ★★★★★
クレイジー ★★★★★
係員の指示に従い、しっかりと準備を進める。
微塵も恐怖を感じていないミカさんと、表情がぎこちない河口氏。笑顔を作っている場合ではない。先ほどからふーふーと大きく息を吐いている。
用具の装着を終えると、吊るされる場所まで案内される。この物々しさが、余計に恐怖を掻き立てるのだ。
コンテナの外側が閉じられ
床が押し上げられる。
足場が浮かび、宙づり状態に。
がっちりと腕を組んだら準備完了!両者とも緊張を忘れ、笑みがこぼれる。
段々と空高くへ引き上げられていく。「生きた心地がしなかった」と、河口氏は当時の心境を語っている。
係員の合図を機に自らが紐をひくと、重力に従って地面へと放出される。これは紐を引く直前の様子だ。
安全バーも縋り付く縄もなく、まさに鳥のごとく大空へダイブ!
そしてふたりは鳥になった。
振り子の要領で、ブーーーーンと前に振られた後は、後ろへ引き戻される。この繰り返しだ。
お互いにがっしり腕を組んで空中遊泳。これは吊り橋のドキドキどころではないだろう。
揺れが弱くなると、係員が持ってきた棒につかまり地上へ戻る。
バードマン後、河口氏は無言で顔をゆがめていた。
「もう……二度とやらない…………マジで……」そうポツリとつぶやいている。
これにて本日の実験終了だ。
後は個別に話を聞いて終わりにしようか、という時だった。
「ミカさん、今後ともおつきあいよろしくお願いいたします!」
河口氏が感極まって、告白タイムに突入してしまったのだ。
「大丈夫ですよ!」「平気ですか?」などなど、乗車前には励まし、乗車後には優しく気遣ってくれた彼女に身も心もメロメロになってしまったと言う。
これぞまさしく吊り橋効果だ。
「え、あ……ごめんなさい!」
深々と頭を下げて丁寧におことわりするミカさん。
河口氏は、あえなく撃沈した。
さっきは一緒に乗ってくれたパンダも、今は独り寂しく満喫するしかない。
そんな河口氏の様子を見かねたのか、「一緒にごはんでも」と、ミカさんからのお誘い。城島高原パーク内のレストラン「メアリーアーデンス」へ向かった。
「やっぱり肉ですよね!」そう言って注文したのは、ガッツリ喰らいつけるサイコロステーキだ。じゅうじゅう音を立てる鉄板と香ばしい肉の香り。これはたまらない。
「これこれ、絶叫マシンでスカっとした後は、肉が最高においしいですね!!!!」と、ご満悦。若さとエネルギーがあふれ出してとまらない女性である。
一方、ヤケ酒ならぬヤケカツカレーを頬張る河口氏。
Q. 絶叫マシンに乗ると吊り橋効果は生まれるのか?
A. 生まれることもある(今回は失敗)
なんと、驚くほど当たり前の結論に至ってしまった。
ミカさんに、絶叫マシン前と後の河口氏への印象を聞いてみた。
「最初は普通のおじさんっていう感じでした。1日一緒に遊んでみると、しゃべりがおもしろい、ちょっと怖がりのおじさんっていう感じに変わりました。でも、年齢的にも恋愛対象ではないかな……。すみません!」
とのことだ。吊り橋効果の恋愛感情は芽生えなかったものの、内面を垣間見る時間になったようだ。
スリル満点、ドキドキの時間を一緒に過ごすことでお互いの心の距離が縮まり、親密度が増すのは間違いない。
頼もしい姿にキュンとくるだけでなく、怖がる姿にキュンとなり「母性本能をくすぐられる」なんてこともあるかもしれないし、ないかもしれない。
気になる相手がいるあなた、実験してみる価値は大いにありそうだ。
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